こんにちは。

カウンセラーの中越です。



今年70歳になる僕の母。



そんな母の物語が、

天職を見つけるために、

ヒントになると思います。



今から15年ほど前。



50代半ばのとき、

母が取った意外な行動に、

思わず考えさせられます。



そして意外とちゃんと、

心理学用語が出てきます(笑)



さて、

50代半ばのとき僕の母が取った、

意外な行動とはなんでしょう?



というわけで今回は、

天職を見つけるおかんの教え その2

スタートします!!




天職を見つけるおかんの教え



僕の母は、

今年で70歳になります。



母は高校生の頃、

風紀委員だったそうです。



いま古い同級生にあうと、

からかわれてしまうくらい、

真面目な学生だったとか。



朝、校門の前に立ち、

女子のスカートが短くないか、

ものさしでチェックをする。



そんな、

古い映画かアニメのような、

真面目な学生だったらしいです。



その真面目さからか、

母は関西の有名な私立大学に、

推薦入学が決まっていました。



でも、その時期、

祖父の仕事がうまく行かず、

母は大学に行けませんでした。



50年以上も昔のこと。

なんと半世紀も昔。



当時は、

女性が大学に行くなんて、

とても珍しかった時代。



「女は大学など行かず、

 家のことをしてればいい」



そんな世の中では、

母の学費を出してくれる人は、

誰もいなかったのでしょう。



(それが50年ちょっと前。
 半世紀で世の中は激変ですね)



母は、

大学に行けなかったことが、

強く心に引っかかりました。



だから、

僕たち3人の子供を、


「なんとしてでも、

 大学まで行かせてあげたい」


その一心で子供を育てました。



いや、その一心に、

人生を注ぎ込みました。




「別に、

 一流でなくてもええ。


 でも、

 どこでもいいから、

 大学は絶対に行かなあかん。


 それから絶対に、

 浪人と留年することは、

 許さへんで」



それは僕が小さな頃から、

ずっと存在する我が家のルール。




おかんの教育、天職にはほど遠い




僕の父は昔、

不動産の仕事をしてました。



高度経済成長期、

そしてバブルという時代。



不動産の仕事には、

とても有利な時代でした。



僕の家は、

そこそこ裕福でした。



母いわく、


「あんたら子供3人に、

 お金の苦労させたことない」



大学を卒業するまで、

確かにその言葉通りでした。



今年39歳になる僕は、

それがどれだけすごいことか、

いまになってよくわかります。



僕の姉2人は、

幼稚園から大学までついてる、

一貫教育の私立の女子校。



幼稚園に入った時点で、

学費さえ払い続ければ、

大学まで卒業できる。



とりあえず母は、

一安心です。




問題はこの僕です。




姉たちが通った学校は、

カトリック系の女子校。



当たり前ですが、

僕は入れません。



とはいえ、そう都合良く、

大学までの一貫校なんて、

そうそう近場にありません。



仕方がないので母は僕を、

受験させることにしました。



僕は小学1年生から、

塾に通わされました。



それが30年ちょっと前。



当時は小学1年生が、

塾に行くというのは、

かなり珍しいこと。



(今だと全く珍しくない。
 しつこいようですが、
 世の中は激変しますね)



僕は勉強が好きでなく、

難しい漢字や算数なんて、

ちっとも覚えませんでした。



そのかわりに、

塾に行くふりをして、

外でダラダラ遊ぶことを、

しっかりと覚えました。



僕は塾に行くのが、

とても嫌でした。



当時の母の考えでは、


「お金を払って、

 塾に行かせさえすれば、

 塾が子供に勉強させるはず。


(自分は真面目な学生で、
 大学に行きたかったのだから、
 そう思うのも当然です)


 そのために、

 お金を稼ぐのが、

 自分たち親の役目。


 お金を稼ぐ父を支えるのが、

 母である自分の役目」



経済的な事情で、

大学に行けなかった母は、

強くそれを信じてました。




父はお金は稼いだけど、

酒癖の悪い人間でした。



いつも酔っ払っては、

母を殴っていました。

いまでいうDVです。



僕の家は、

安物の再現ドラマのように、

毎日が荒れていました。



母の人生は、

がまんがまんの人生でした。



すべては、


「子供3人を、

 大学まで出すために」。



私立の一貫校に姉2人。

そして僕の受験費用。



そのために、

どんなにひどい父でも、

耐えに耐え続けました。



いまの歳になって、

母の人生を考えてみると、

その気持ちもわかります。



「自分は経済的事情で、

 行きたい大学に行けなかった。


 そんな苦労を、

 子供にさせたくなかった。

 ただその一心だった」


それだけのことです。




「とにかく勉強させて、

 大学に行かせればいい。


 私の教育方針は、

 絶対に間違ってない」



この母の信念は、

みじんも揺らぎませんでした。



僕が塾に行きたくないと、

何度言っても通りません。



ただただ僕は、

とにかく塾に行かされ、

よくわからないまま怒られる。



おかげで勉強なんて、

すっかり嫌いになりました。



この時点での母の教育方針は、

間違っていたのかもしれません。




おかん、50代半ばにて人生を省みる



それでも僕は、

なんとか大学に入りました。



母はやっと一安心。

私の役目ももうすぐ終わり。



必要な学費を計算し、

離婚に向けて準備をする母。



「これだけあれば、

 息子が卒業をするまで、

 なんとかなるはず」


僕が20歳になる頃、

とうとう離婚になりました。


(あれだけ大変だった離婚も、
 文章にするとほんの数行…。
 なんだか複雑な気持ちです)
 



父と離婚して5年。



母は二つのパートを。


僕は大学生から、

パッとしない社会人に。



僕たちは、

とても質素になりました。


でも、本当に本当に、

静かな生活を送りました。



「これが噂に聞く、

 普通の生活というやつか」



それは、

生まれて初めて味わう、

幸福といえる時間でした。




ところが、ある日、

母がこう言い出しました。



「私、心理学を、

 勉強しようと思うねん」



「おかん、

 急にどないしたん?」



僕と姉は、

とても驚きました。




僕がいま覚えているのは、

母がその少し前くらいから、


「なんか最近、

 考え事ばかりして、

 夜、寝られへんねん」


といっていたこと。



父と離婚して数年経ち、

新しい生活にも慣れた頃。



50代半ばになる母は、


「いろんな大変なことを、

 なんとか乗り越えてきた。


 でも、私の人生は、

 本当にこれで、

 よかったんやろうか?」


自分の人生を省る時期が、

来ていたのでしょう。



心理学を勉強して、

しっかりと自分自身の人生を、

考えたくなったのかもしれません。



母が心理学の講座に通い、

しばらく経った頃、



「今度、学校で、

 レポートとかいうやつ、

 出さなあかんねん。


 あんた、

 ちょっと手伝って」



「おかん、

 僕が子供のころの宿題、

 全然、手伝えへんかったやん」



仕方がないので僕は、

PCを使えない母の代わりに、

レポートを打ち込みました。



母は、

パートを2つ終えてから、

心理学の講座に通います。



「今日は、

 論理療法とかいうやつ、

 勉強してきてん」



「今日の先生はな、

 おもしろい話する人や。

 なかなか大したもんやで」



夜遅く帰ってくると、

母はとてもうれしそうに、

僕にテキストを見せます。



「おかんのくせに、

 充実してそうやな」



そんなある日のこと、

心理学の講座で何を学んだのか、

母は突然、ふと僕にいいました。



「あんたが小さい頃、

 無理やり塾に行かせたんは、

 間違ってたかもしれへん。


 あれは、

 大学に行かれへんかった、

 私のコンプレックスやった。


 嫌な思いさせてたら、

 ごめんな」



僕はあまりに突然で、

驚いて言葉が思い浮かばず、



「そんなこと、

 気にしたこともないよ」


といいました。



それから僕は、

もう一度いいました。


「おかん、

 急にどないしたん?」






繰り返しになるけども、


「祖父の仕事の影響で、

 推薦で合格してるのに、

 大学に行けなかった…」



そんな母の人生を考えると、


「なにがなんでも、

 大学に行かせること。

 それが正しい教育だ。


 泣いても塾に行かせるのが、

 子供の幸せになるはずだ!」


そう思い込むことも、

自然なことだと思います。




僕にたいしてその信念を、

25年以上曲げなかった母が、

ある日、突然、口にした言葉。



「あんたが小さい頃、

 無理やり塾に行かせたんは、

 間違ってたかもしれへん。


 あれは、

 大学に行かれへんかった、

 私のコンプレックスやった。


 嫌な思いさせてたら、

 ごめんな」



僕は本当に本当に、

びっくりしました。




この点において母の教育は最高だった



そんな母を見て、

僕は学びました。



1つ、


「人間は、

 大人になってからでも、

 勉強できるということ」



2つ、


「人間は、

 大人になってからでも、

 変われるということ」



3つ、


「人間は、

 自分から好きで学ぶと、

 とても充実するということ」




母は50代半ばになって、

僕に勉強をさせるのでなく、

自分自身が勉強しました。



母が変わっていく姿を見て、

僕はなんの無理もなく、


「僕も勉強してみたい」


と思いました。




僕は母のレポートを、

代わりにPCでうちながら、

思い出しました。



「そういえば僕は、

 大学でこういう心理学、

 少し勉強したよな。


 そうや。


 僕は19歳くらいまで、

 カウンセラーになりたかった。


 心理学の本、

 おこづかいで買ってたもん。


 なんでそんな簡単なこと、

 思い出されへんかったんや」




それから半年もしないうちに、

僕は母と同じ心理学講座の、

体験講座に申し込みました。



そのあと、

僕は上のコースに進み、

そこの資格を取りました。



そのあとは、

他の講座にも通い、

もう一つ資格を取りました。




「あんなふうになりたい」。

人間は憧れの対象があると、

自然とその人の真似をします。



心理学ではそれを、

観察学習、模倣学習、

モデリングなどといいます。



僕と母が通った心理学の講座で、

学んだ言葉です。



さすがに母は、

僕にとって憧れの対象では、

ありませんでした。



それに母は、

心理学を学んだといっても、

半年くらいのことでした。



それでも、

夜遅くに帰ってきて、

うれしそうにテキストを見せる。



そんな母の姿は、

僕にとって十分に、

模倣の対象でした。



「大人になっても、

 勉強してもええんや」


「大人になっても、

 人間は変われるんや」



結局、人間というのは、

背中を見せることでしか、

教育なんてできないのです。



この時点での母の教育方針は、

完璧だったとしかいえません。




仕事につながらなくてもやるのが天職への近道



さて、

少し時間がさかのぼり、

僕が大学生の頃の話。



「カウンセラーになるなんて、

 とても自分には無理なんだ…」

僕はすぐにあきらめました。



当時はカウンセリングが、

まだ一般的でない時代。

心療内科もほとんどない。



大学院まで進み、

臨床心理士になっても、

食べていけるのはごくわずか。



いわゆるカウンセラー界の、

一握りのエリートだけ。



とても残念だけれど、

そのごくわずかのレールに、

僕は乗れそうな気がしない。



「しょせん、

 自分みたいな凡人には、

 カウンセラーなんて無理。


 普通に大学を出て、

 文系なんだから営業職。


 世の中、

 そんなもんだろう…」



僕はなんの挑戦もしないまま、

カウンセラーをあきらめました。



それから、

なんとなく就職を決めた僕は、

何度も転職を繰り返しました。



でも、

なんの仕事をしても、

全然、うまく行かない。



「このまま営業職を、

 一生、続けるなんて、

 とても無理だ…。


 でも、

 自分のやりたいことなんて、

 なに一つ思い浮かばない…」



それもそのはずです。



当時の僕は、

「社会人はこうあらねば…」

その枠にとらわれてました。



もう少し詳しくいうと、


「もう社会人なんだから、

 お金や仕事にならないことを、

 やっている場合じゃない」


と思っていました。



「たとえ興味があっても、

 仕事につながらないなら、

 勉強したって意味がない…」



「今からなにかをやるにも、

 仕事につながる確証がないと、

 やったところで意味がない…」


そう考えていました。



当時の僕は、

何度も転職を繰り返してたし、

貯金もちっともない。



正直、

失敗が続いてばかり。



僕の心の中は、

不安と恐怖でいっぱい。



そんな状況の僕が、


「仕事につながらないけど、

 興味があるからやってみよう」


「お金になんてならなくても、

 面白そうだからやってみよう」


なんてことは、

あまりにも怖くて、

考えることもできなかった。



結局、僕は恐怖心から、

なにも身動きが取れないまま、

何年も時間だけが過ぎました。



やっぱり、

そんな僕を変えたのは、

母の姿だったと思います。



夜遅く帰ってきては、

僕相手にとてもうれしそうに、

心理学のテキストを見せる母。



「今日は、

 論理療法とかいうやつ、

 勉強してきてん」



「今日の先生はな、

 おもしろい話する人や。

 なかなか大したもんやで」



「あんたが小さい頃、

 無理やり塾に行かせたんは、

 間違ってたかもしれへん。


 あれは、

 大学に行かれへんかった、

 私のコンプレックスやった。


 嫌な思いさせてたら、

 ごめんな」



変わっていく母の姿を見て、

僕はだんだん気づきました。



「なんでやろう。

 仕事につながらんくても、

 最近のおかんは楽しそうや。


 日々の生活が充実してるって、

 たぶんああいうことなんや。



 あれは僕にはないものや。



 なんかわからんけど、

 おかんみたいに生きた方が、

 人生、上手く回る気がする。



 ダメもとでもいい。

 仕事にならんくてもいい。

 お金をドブに捨ててもいい。


 僕もちょっとだけ、

 勉強してみたいな…」




それが今から、

15年ほど前のこと。



それから3年ほど、

僕は勉強を続けました。


そして昔あきらめた、

カウンセラーになりました。



今でもなんとか、

細々とカウンセラーとして、

生計を立てていけてます。



気がつけばもう10年以上、

カウンセラーとして、

食べていっています。



手前味噌だけど、

僕だって本当に、

よくがんばりました。




「あんたが、

 カウンセラーになったんは、

 私のおかげやで!」



ドヤ顔でそういう母には、

うんざりもするけども、

その通りだから仕方ない。



「たとえ興味があっても、

 仕事につながらないなら、

 勉強しても意味がない…」


「今からなにかをやるにも、

 仕事につながる確証がないと、

 やったところで意味がない…」



恐怖心からそう思い、

なにも行動しなかった僕が、


「仕事にならなくても、

 興味があるからまずやろう」


「お金にならなくても、

 面白そうだからまずやろう」


そう思って動けたのは、

やはり母の後ろ姿が、

大きかったと思います。




やりはじめないと絶対に天職は見つからない




「努力さえすれば、

 必ず夢は叶います!」


なんてことは、

僕はいいません。



世の中はイス取りゲーム。

たとえいくら努力しても、

ときにはダメなこともある。



人生なんて、

そう甘いもんじゃない。

それは正論だと思う。



でも、


「自分から動かないと、

 天職は絶対見つからない」


これもまた真実です。




昔の僕みたいに、



「たとえ興味があっても、

 仕事につながらないなら、

 勉強したって意味がない…」


「今からなにかをやるにも、

 仕事につながる確証がないと、

 やったところで意味がない…」



そんなことをいいだしたら、

何もできなくなります。



結果として、


「今までと同じような仕事か、

 興味はないけど、

 とりあえずすぐ就ける仕事」、


しか選べなくなります。



当時の僕は、

まさにその状態でした。



「それはその通りだけど、

 中越さんはうまくいったから、

 そんなこといえるんだよ…」



それもそうかもしれません。



好きなことを勉強しても、

うまく行かないことだって、

やっぱりありますから。




でも、それでも、

興味あることを学ぶのは、

必ず人生を充実させる。



僕の母は、

カウンセラーには、

なりませんでした。



それでも僕の母が、

心理学を勉強したのは、

大きな意味がありました。



夜遅く帰ってきては、

僕相手にとてもうれしそうに、

心理学のテキストを見せる母。



あの頃の母は間違いなく、

人生を充実させていた。



そして、

そういう生き方の先にしか、

天職は見つけられません。




「仕事にならなくても、

 興味があるからまずやろう」


「お金にならなくても、

 面白そうだからまずやろう」



こう思って動く人しか、

天職にはたどり着けません。




さて、

みなさんにとって、


「仕事には、

 つながらないかもしれない。


 でも、本当は、

 ほんのちょっと興味がある」


そういうことって、

どんなことがありますか?



ほんの少しでも、

それをやりはじめることは、

必ず人生を充実させます。



そして、

日々の人生が充実してる人が、

一番、天職に近いんですよ。





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■ 編集後記


いや~、

今回のコラムも、

驚くほど長くなった。


通勤電車の中で、

5分で読めるコラム。

それが理想だと思います。


でも、

どうしても書きたいこと、

大事なことほど長くなる。


こんなに長いコラム、

最後まで読んでくれた方、

本当に感謝感謝です!






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