天職を見つけるための心理学
「どうせ無理・・・」の心理学
※このコラムは過去のメルマガの内容を加筆、編集したものです。
サーカスの人気者といえば象さんですよね。
かわいらしくて、大きな体、インパクトもあります。
あの大きな体で玉乗りしたり、
逆立ちをしたりとするのは大迫力です。
僕も小さいころ、
サーカスに連れて行ってもらいましたが、
やっぱり象ってすごく印象に残っています。
でね、象ってあんなに大きくて力持ちな動物なのに、
木の杭に結んだ小さな縄のロープを、
足に結び付けておくだけで逃げないんですって。
象ぐらい力持ちなら、
そんなロープ、簡単に引き抜いたりちぎったりできるはず。
なのに逃げようとしないんです。
これは象が小さくてまだ力がない生まれてすぐのころ、
木の杭やロープで縛るだけで逃げられないころに、
ずっとロープに縛っておいて、
いくらがんばっても逃げられないということを、
何度も何度も経験させたからです。
すると象は、
「どうせいくらがんばっても逃げられない。
無駄な体力使うのはやめておこう…」、
と思うようになります。
こういうのを『学習的無力感』といいます。
いくらがんばっても無駄ということを経験すると、
大きく成長して、がんばったら逃げられるようになっても、
「どうせ無理に決まっている・・・」と思って何も行動しない、
無気力な性格になってしまいます。
小さいときにロープで縛られて、
どうがんばっても逃げられなかった子象は、
大人になって本気になれば簡単に逃げられる力がついても、
「どうせ無理だろう…」と思って逃げようとしないのです。
「ちょっと力を入れれば簡単に逃げられるのに、
逃げようともしないなんて、象ってバカな生き物だな〜。」
と思う人もいるかもしれません。
でも、僕たちも、
この象と大して変わらないと思います。
僕たちは子供のころから、
何度も何度も失敗するという経験をしてきました。
がんばってもうまくいかないことも、
誰もが一度は経験したと思います。
また、まわりの大人、両親や学校の先生、親戚などに、
「どうせ無理に決まっているよ…」と言われることもあるでしょう。
人間は象よりもずっと賢くて、
記憶力もよくなんでもすぐに学習します。
そしてそれは残念なことに、
悪いこともすぐに学習してしまうのです。
僕たちが子供のころ、大抵の場合、
「あぶないからやめておきなさい」
「もっと普通のことをしなさい」
と言われてしまいます。
そして結局のところ、
無難な人生を歩むようになってしまいます。
そういうことを何度も繰り返しているうちに、
「やりたいことなんて、特別才能のある人だけがやることだ。
自分にはどうせやってもうまくいかない。」、
と思うようになってしまいます。
確かに、才能は必要かもしれません。
イチローとかダウンタウンとか、
何かの世界でトップになる人には、
やっぱり才能があるのかもしれません。
でも、ちいさいながらも自分のお店をだした人、
何か資格を取って、好きなことを仕事にできた人、
そういう人は、みんな口をそろえていいます。
『自分にはなにも特別な才能などない。
今まで努力はたしかに必要だったけど、
それは、がんばれば誰でもできる、普通のことだった。
ただ単に自分にできる小さなことを、
毎日一生懸命、やってきただけだった。』
そして天才イチローも、
「小さいことを重ねることが、
とんでもないところに行くただひとつの道」
といっています。
「最初の一歩を踏み出して、
毎日、自分にできることをやり続ければいい」
そんなことは僕が言わなくても、
もうどこかで聞いてきたことがあると思います。
でも、
見えない木の杭とロープにつながれた僕たちは、
なかなかその最初の一歩を踏み出すことができない。
子供のときは、
習い事をするにも、
親の協力が必要です。
親に食べさせてもらっているので、
親のいうことを聞かないで捨てられでもしたら、
生きていくことができません。
子供はまだ自分ひとりでは生きていけないので、
親が安心する無難な生き方いう木の杭に、縄のロープでつながれて、
自由を奪われるかわりに親に守ってもらうのです。
だから親のいうこと、大人のいうことを聞いて、
むやみに挑戦ばかりせず、大人しく無難な人生を生きるのは、
ある意味、環境への適応でもあるのです。
でもね。
これを読んでくれている方は、
きっともう立派な大人なんだと思います。
小学生のときのあなたが、
今のあなたをみたら、
きっともうすごく立派な大人に見えるはず。
いまのあなたは誰かに守られなくても、
もう十分に一人でやっていくことができるはず。
あなたの足につながっているロープは、
あなたがちょっと本気になって力を入れたら、
簡単に引きちぎられてしまうことでしょう。
本当に大切なのは、
才能があるかどうかではありません。
一番大切なのは、
あなたの足に結んである杭から伸びてきたロープを、
思い切って引きちぎるかどうかです。
さて、どうでしょう?
今のあなたはサーカスの象になっていませんか?
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今回のポイント
★やりたいことへ第一歩が踏み出せないのは目に見えないロープが足に絡まっているから
★そのロープはちょっと本気で力を入れれば簡単に引きちぎれるはず。
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