こんにちは。
カウンセラーの中越です。
僕のおばあちゃんは、
ちょっと面白い人でした。
お酒とタバコが大好きで、
テレビを見ながらよく歌ってました。
若いころはなかなか、
やんちゃだったらしいです。
そのおばあちゃんのある行動に、
やりたいことをを見つけるための、
大きなヒントが隠されています。
さて、そんなおばあちゃんの行動とは?
というわけで今回は、
「回想」の天職心理学です。
□思い出したい仕事…
ちょっと前に亡くなった、
僕のおばあちゃんの話です。
ちょっと面白いおばあちゃんです。
認知症が進んで病院にいた時のこと。
おばあちゃんが、
財布の中のお金を数えながら、
「おかしいなぁ~、
え?いや、そんなはずないで~。
あれ?おかしいな~。」
と困っていたそうです。
それを見ていた姉が、
お金をなくしたのかと心配して、
「おばあちゃんどうしたん?
いったい何がおかしいん?」
と訊いたそうです。
するとおばあちゃんは、
「え?何がおかしいんやろな?
それがわからんねや~。
あんた、何がおかしいんやと思う?」、
と逆に訊いてきたそうです。
思わず姉も、
「わからんのかい!」、
とつッこんでいました。
さすが大阪のおばあちゃん。
いろんな意味でボケてます。
そんなおばあちゃんも、
本格的に認知症が進んでいきました。
もう、本当に、
いろんなことがわからなくなったのです。
僕たち家族の名前もわからなくなりました。
やっぱりちょっと、さみしかったです。
でも、いろんなことが、
わからなくなったおばあちゃん。
なぜかピアノの前に座ると、
なんでもないようにシャンとして、
いろんな曲を弾き出します。
介護施設での誰かのお誕生日会など、
おばあちゃんがハッピーバースデイを弾き、
それにあわしてみんなで歌うのです。
「やっぱりすごいな~。
何もわからんようになっても、
昔の大切なことは覚えてるんやで~。」
と母が言いました。
僕は聞きました。
「おばあちゃんって、ピアノ好きやったん?」
「あの人はああいう芸事が大好きやん。
年取ってからも、
日本舞踊とかやってたやろ。
おばあちゃんが小さいころから、
ピアノはいつも弾いとったらしいで。
あんたが小さいときも、
よくピアノ弾いとったやろ。
せやから、私も小さいときは、
ピアノとかバレエとかやらさせられて、
嫌々通っていたわ。」
僕の知っているおばあちゃんの仕事は、
保育園の先生でした。
60歳くらいまで保育園で働いていた。
ピアノと子供が好きで、
世話焼きな大阪のおばちゃんだった、
おばあちゃん。
おばあちゃんにとって、
保育園でピアノを弾くことほど、
幸せなことはなかったんじゃないかと、
今になって僕は思います。
そんなおばあちゃんが認知症で、
何もわからなくなっても、
お誕生日会ではシャンとピアノを弾く。
それに合わせてみんなが、
ハッピーバースデイを歌う。
回想療法というのがあって、
昔の大切なことを思い出すことは、
認知症には良いそうです。
ピアノがおばあちゃんにとって、
回想療法になっていたのかどうか?
それは今となってはもうわかりません。
本人にはもう訊けないですからね。
でも、少なくともおばあちゃんは、
介護施設でピアノを弾いているとき、
やっぱり充実していたと思います。
そのときその瞬間は、
幸福な瞬間だったと思います。
いや、きっとおばあちゃんは、
「ピアノを弾けてうれしかった」、
そういうに違いないと思います。
おばあちゃん家には、
昔から古いオルガンがあって、
よくそれを弾いていました。
オルガンが壊れてしまってからは、
ちょっと安めの小さな電子ピアノ。
それもだいぶ歳をとってからは、
ほとんど弾かなくなってしまって、
誰かが捨てようとしたら、
「それは捨てたらあかんねや…!」、
怒っていたのを覚えています。
いまさら言っても仕方ないけど、
「おばあちゃんのピアノ、
もっと弾かせてあげたらよかったな、
もっと聴いてあげればよかったな~」、
今はやっぱりそう思います。
そして、同時に自分に対しても、
好きなこと、やってみたいと思うこと、
ひとつでも多くやっておきたいと思います。
出来ることなら認知症になる前に、
大切なことはやっておきたいですから。
僕がずっと逃げていた心理学、
カウンセラーになりたいという夢、
やっぱりやってよかったと思う。
20代前半のときの僕は、
認知症になっても思い出す仕事なんて、
きっとしたことがなかった。
でもいまはちょっと違います。
こればっかりは、
なってみないとわかんないけど…。
もし僕がいつか認知症になったとき、
自分がカウンセラーだと思い出せたなら、
どんなに素敵なことだろう。
もし自分が認知症になっても、
誰かが真剣に何か相談してくれたとき、
ほんの一瞬だけカウンセラーに戻れたら、
それはどんなに素敵なことだろう。
いまは本当にそう思える。
本心からそう思える自分がいる。
そう思える仕事が出来ること、
僕は本当に幸せに思います。
さて、あなたは認知症になったとき、
どんな仕事を思い出すのでしょうね?
いや、もし自分が認知症になったとき、
今の仕事を思い出したいと思いますか?
もし今の仕事を思い出したくないのなら、
ゆっくり考える時期かもしれませんね。
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今回のポイント
★思い出したい仕事は何でしょう?
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■ 編集後記
いまさらなんですが、
ベルセルクってマンガにはまってます。
近所の古本屋で100円なのですが、
7巻だけ置いていない…。
7巻だけ新品で買うのも悔しいです。
他の古本屋に遠征しようかな~。
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