こんにちは。
カウンセラーの中越です。
初めて自転車に乗ったときのこと、
今でも覚えていますか?
きっとどんな人でも、
初めて自転車に乗れたのは、
すっごくうれしかったはず。
そしてこの自転車の練習に、
やりたいこと探しの大きなヒントが、
隠されているのです…!
というわけで今回は、
「自転車」の天職心理学です。
今回、ちょっと長いですけど、
なかなか面白い話ですよ(^_^)
□出来そうだからやる気になる!
僕がはじめて自転車の練習をしたのは、
確か幼稚園のときだったと思います。
当時の僕はこま付き自転車。
二人いる姉はこまなんてついてません。
幼心に恥ずかしくなったのでしょう。
なんとかこま無し自転車に、
乗りたかったんだと思います。
6つ年上の姉につきあってもらい、
公園で練習していたのを覚えています。
まずはこまをひとつはずします。
片一方こまがないだけだから、
ちょっと怖くはあるものの、
案外、ちゃんと乗れてしまいます。
しばらく片方こま無しで乗って、
「お、なんや、結構いけるやん!」、
なんて思ってしまいます。
そこで両方のこまをはずし、
とうとう普通の自転車に挑戦。
でも、もちろんものすごく怖いので、
姉に自転車の後ろを手で支えてもらいます。
「絶対ちゃんと支えといてや!
ほんまのほんまに絶対やで!
絶対、手はなしたらあかんで!」
念には念を入れて、
姉にしっかりと釘をさしておきます。
1メートル、2メートル、3メートル…、
順調に自転車は進んで行きます。
しかし、順調な進行にもかかわらず、
幼いながらに不吉な予感と、
そこはかとない違和感を感じます。
なにかがおかしい…。
…これが第六感というヤツでしょうか。
ふと気がついてみると、
後ろで支えてもらっている割には、
どうもそれほど安定感を感じない…。
「まさか…!!!!!!!」
振り返って姉を見てみると、
遥か後方でニヤニヤ笑っています。
「え!?何で手はなしてんの?
絶対、はなせへんって・・・約束・し・た・や・ん・・・」。
思いも寄らぬ肉親の裏切りに、
僕の精神は完全に揺さぶられます。
精神のゆれはハンドルにも表れ、
大きくぐらつき派手にクラッシュ…。
僕は泣きながら言います。
「なんで手、はなしてんねん…!!」。
僕がいくら怒っても姉は、
うれしそうにゲラゲラ笑っています。
背信行為を働いた上に、
傷つく敗者をあざ笑う…。
あの時、泣き叫ぶ僕を見て笑う姉が、
悪魔のように見えました。
とはいえ、
たった数メートルとはいえ、
自分ひとりで自転車に乗れた…!
これはちょっと自信になりました。
こうやって自信がついたから、
「もう少し練習したら、
一人で自転車に乗れるかも!」
そんな自信がついたのも確かです。
結局、ここで自信がついたから、
自転車に乗れるようになったので、
姉の悪魔作戦も成功かもしれません。
なにかをできるようになるには、
「きっとうまく出来るはず」、
こういう自信がとても大切です。
「きっとうまくできるはず」、
こういう気持ちを、
「自己効力感」といいます。
心理学者のバンデューラは、
この「自己効力感」が、
やる気を生むといいました。
確かに、自分にとって、
「とてもうまく出来そうにない…」、
そう思うことはやる気になりません。
自転車の練習も、
「こま付き自転車で、
ちょっとできそうな気になる。」
↓
「片方だけこまつきにして、
さらにできそうな気になる。」
↓
「こまなしで後ろを支えてもらい、
さらにもっとできそうな気になる。」
↓
「知らない間に支えをなくされ、
それでも2,3メートル進めたから、
もっともっとできそうな気になる。」
こうやってちょっとづつ、
自己効力感が高まっていきました。
そして自分に自信、
自己効力感がついたからこそ、
一人で自転車に乗る勇気がでる。
最初からいきなり、
一人で自転車に乗ることは、
怖くてとても出来ません。
自分に自信、自己効力感を持つには、
こま付き自転車や片方こま付自転車、
騙されてでも自分で数メートル進むという、
小さな成功体験が必要なんです。
まずは小さな課題をクリアして、
自分に自信をつけたからこそ、
一人で自転車に乗ることに、
挑戦できるんですよね。
実際、バンデューラによると、
「遂行行動の達成が最も自己効力感を高める」、
とのこと。
わかりやすくいうと、
小さな成功体験が自信を育てる、
ということです。
さて。
やりたいことも自転車と一緒です。
いきなり好きなことを仕事にしよう。
いきなりやりたいことで独立しよう。
そんな大きなことを考えたって、
失敗することが怖くって、
いつまでたっても行動できません。
まずは小さな小さなことでいいんです。
本を読むだけでもいいし、
ネットで調べてみるだけでもいい。
それが出来て少し自信がついたら、
講座やスクールに通ってもいい。
資格が取ればきっともっと自信がつく。
資格を取れたら今度は、
就職や独立への壁だって、
以前よりは少し低く感じるはず。
うまくいっている人に話を聞いたり、
必要な情報を集めていく中で、
「いける!」という感覚は強くなる。
つまり、少しずつ行動することで、
自分に自信、自己効力感が高まっていく。
自信さえあれば一歩踏み出すのも怖くない。
そうやって本当に少しずつ、
夢は現実に近づいていく。
小さな行動を成功させて、
自分に少しずつ自信がついた分、
夢も少しずつ現実に近づいていく。
こま付き自転車レベルでいいんです。
後ろを誰かに支えてもらってもいい。
小さな小さな第一歩。
それはきっと、
あなたの自己効力感を強くして、
大きな一歩の源になりますよ。
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今回のポイント
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■ 編集後記
「重力ピエロ」って映画を見ました。
これはめっちゃ面白いです。
完全に油断していました。
「アヒルと鴨のコインロッカー」、
って映画もめっちゃ面白かったけど、
原作者が同じ人でした。
いや~、本当にいい映画でした。
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