こんにちは。
カウンセラーの中越です。
今回は前回に引き続き、
太田さんのカウンセリング事例紹介。
学生の就活のサポートを、
ボランティアとして活動している。
そこにやりがいを感じてるけど、
これが仕事になるとは思えない。
一回目のカウンセリングでは、
そんなお話をしておられました。
ところが、
2回目のカウンセリングでは、
ずいぶんと前に進んでおられます。
今回の事例紹介は、
前回の記事を読んでいないと、
面白くないと思います。
読んでおられない方は、
前回の記事を読んでからどうぞ~。
前回の記事はこちら。
□不安を乗り越えて強くなる!!
前回のカウンセリングで、
・退職届を書いてみること
・就活のノウハウを一日一行書くこと
この二つの宿題を出した太田さん。
2か月ほどたってから、
2回目のカウンセリングです。
どちらの宿題も、
ちゃんとやることができたとのこと。
特に、就活に関して
自分なりのアイデアを書くことは、
とても楽しかったようです。
「就活をする学生のサポートをしたい」
2回目のカウンセリングの時点で、
もうやりたいことの方向性は見えてます。
これはかなり順調なペースで、
元々学生にボランティアで教えていたのが、
下地になっているからでしょう。
とても仕事にならないと思うことでも、
ちゃんと行動に移していたことが、
ここでよい結果につながっています。
でも、
順調なばかりではありません。
「やりたいことが見えてきたので、
人材紹介会社の人に相談すると、
そんな仕事はないといわれて…。
正直、
すごく落ち込んでしまいました…。
就職支援の仕事といっても、
私がやりたいと思っているのは、
よくある人材紹介会社のような、
就職斡旋ではないんです。
一人一人の学生とちゃんと向き合って、
もっと深いところから、
就活をサポートしたいと思うんです。」
そうです。
太田さんのやりたいことは、
単なる就職の斡旋や面接対策ではなく、
もっと人生そのものに関わるもの。
学生のうちにやりたいことを見つけて、
その実現に向けてサポートする仕事。
ある意味、
僕がやっている仕事の学生版、
それプラス就職対策でしょうか。
たしかに、そういう仕事を、
組織としてやっているところなんて、
この世の中にほとんどないでしょう。
だからこそ僕も、
独立をすることにしたのですから。
でも、太田さんとしては、
いきなり独立することに対して、
かなりの抵抗があるようです。
「やっぱりまずは修業したいというか、
こういう仕事を誰かから、
ちゃんと学びたいと思うんです。
今のまま、いきなり独立というのは、
なんかちょっと違う気がするんです。
だからまずは、
就活のための塾みたいな会社があるんで、
そこに面接に行こうかと思うんです」
こうやって、
今の自分にできることを考え、
ちゃんと行動にできるところも、
太田さんの長所の一つ。
この塾に面接に行く考え方を、
僕も支持しました。
「やりたいことが見つかったら、
もっとスパッと動けると思ってたんですが、
思っているよりも動けないんですよね。
でも、やるしかないですよね。」
(いやいや、
十分過ぎるほど行動できてますよ!!)
僕の心の声です(笑)
でも、この言葉を聞いて、
こういう気持ちを持っているのであれば、
必ず少しずつでも前に進んでいくだろう。
そのように感じた瞬間でした。
さて、ここからは、
いつもとちょっと違うところです。
太田さんのやりたいことは、
僕の仕事ととても近いこともあり、
普通のカウンセリングとは、
少し違う話をしました。
少しおせっかいかなと感じながらも、
独立することについて、
僕の意見も少し話してみたのです。
僕たちのような仕事をする人は、
ほとんどの人が独立して、
最初から一人で始めていること。
そして最初の間は、
無料のボランティアではじめ、
経験を積みながら少しずつ有料化する。
そして、だんだんと副業になっていき、
ある程度、軌道に乗ったら独立する。
そういうケースがほとんどだと、
少しだけお話しました。
この話には興味を持ってくれ、
「ああ~、そうなんですね。
副業は今の会社にいるから駄目だけど、
ボランティアなら問題ないですね。」
前向きな反応を見せてくれました。
でも、それでもやはり、
いきなり独立して一人でやるのは、
かなり抵抗がある様子です。
とはいえ、
こういう気持ちがあるのは、
もっともなことです。
どこかでちゃんと学びたいという、
真摯な思いを持っている。
これは自分の相談者に対しての、
誠実さの表れだと思います。
ただ、同時に、
今まで太田さんは学生との活動の中で、
十分に実績を積んでいる面もあります。
たとえボランティアであっても、
実際に成果を出して学生が喜んでいれば、
それは立派な実績といえまず。
むしろ、下手なプロより、
よっぽどいい実績を持ってます。
そんな太田さんが、
独立に抵抗を持つことへ、
僕の中である想像が浮かびます。
「独立すること、
そして、お金をもらうことに、
不安を感じているのではないか。
だとすれば、
ここを乗り越えて成長しないと、
好きなことを仕事にすることは、
時間がかかってくるだろうな。」
これは好きなことを仕事にする、
特に独立する必要がある場合、
ほぼ、全員が乗り越える壁です。
人間というのは不思議なもので、
従業員としてお金をもらうのは、
誰もなんの抵抗も感じません。
会社で何の役に立ってなくても、
サボってばかりのような人でも、
みんな普通にお金をもらいます。
でも、たとえ魂を削って働いても、
会社員ではなく自分が個人として、
好きな活動でお金をもらうとなると、
急に怖くなってしまいます。
「私なんかがお金をもらうなんて、
とてもそんなレベルじゃありません…」
その言葉の裏には、
お金をもらうことの責任の重さや、
「本当は役に立ててないのに
お金をもらっていたらどうしよう…」
「好きなことでお金をもらうなんて、
意地汚い奴だと思われないか…」
そんな不安があるのです。
実は僕自身も、
この不安はかなり感じていました。
生まれて初めて、
カウンセリングでお金をもらう時、
感動と同時に怖くなったのを覚えています。
そして、自分のホームページに、
カウンセリングの料金を書くとき、
すごく怖くなったのも覚えています。
これは必ず全員が通る道ですから、
太田さんにもこの不安はあるだろうなと、
この時点で僕は想像していました。
ただ、今の時点で、
独立の不安、お金をもらう不安、
そういう話をしたところで、
適切なタイミングとは思えません。
自分で乗り越える壁に気付いた時、
そのことについて語り合うことが、
一番、無理のないペースです。
それにこれについては、
あくまで僕の想像の話です。
「太田さんが本当に、
お金をもらうのが不安だったのか?」
それは本人にしか、わかりません。
いや、もしかすると本人も、
良くわからないかもしれません。
それにそもそも、
まだたったの24歳の若者です。
ただ単に独立に抵抗があっても、
とても自然なことです。
なので、無理せずゆっくりと、
カウンセリングを進めていこう。
僕はそう思っていたのです。
ところが、たった1か月半後、
太田さんの進化のスピードは恐ろしい。
3回目のカウンセリングで太田さんは…。
長くなりすぎたので、
今回はここまで。
次回、完結編です~。
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■ 編集後記
今回の事例紹介、
たぶん、来週で完結編ですが、
3回も続いたのは初めてです。
長期のカウンセリングじゃないのに、
こんなに長くなってしまうなんて…。
もうちょっとあっさり書く技を
身につけたいですね。
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