僕がスーパービジョンをはじめる理由

こんにちは。

公認心理師の中越です。



やりたいことがわからない理由。

それは、自分の中に怖れがあるからである。


この考えは、僕が天職探し心理学をはじめてから18年、ずっとかわりません。

いろいろな本でそれについて、詳しく書いてきました。


そして、僕自身がカウンセラーになったあとも、怖れからやりたいことがわからなくなることが、何度もありました。


特にここ最近、


公認心理師試験

YouTube(早速更新が途絶えがち…)

カウンセリング教室の開業


などなど…。


新しいことへのチャレンジが多く、不安にさいなまれてばかりでした。


どれもやっぱりすごく怖くて、やろうと決めるまですごく時間がかかりました。


「迷ったり悩んだりする程度なら、本当にやりたいわけじゃないのかな…」


そういう気持ちで、何年も過ごしました。


今となってはその迷っている時間って、

「ただ迷って何も行動していない」

のでは決してなくて、

「自分の中で熟成させている時間」

だったのだとわかります。



自分の中で熟成するにつれ、

「やってみてうまくいかなくても、それもいい人生経験になるか」

と思えるようになってきます。


残念ながら、即決・即行動できるほど、僕は強い人間ではありません。

悩み、迷い、時間をかけなければ、僕は自分の進む道を決められません。


特に不安の渦中にいるときは、そんな簡単に割り切れるものではありません。


そして不安という感情も、人間にとってとても重要な感情です。


もし僕たち人間に不安がなければ、無謀で危険なチャレンジばかりしてしまう。

「犯罪を犯すのも怖くない!」となってしまう人も、必ず出てくるでしょう。

それでは、人生がむちゃくちゃになってしまいます。

不安は僕たちを守るための、大事な感情の一つなんです。

不安は決して僕たちの敵ではなく、見方なんですね。



で、僕はまた、新しいことをやろうとしています。

いや、正確にはもうすでにやりはじめています。


それはスーパービジョン。


僕たちカウンセラーは、自分の担当しているカウンセリングがうまく進まない場合。

もっと経験豊富なスーパーバイザーに、相談に行きます。


専門的な知識が足りていなかったり、まだまだ経験不足だったり。

カウンセリングがうまくいかない理由は、いろいろあります。


ただ、僕自身の経験からいうと、「カウンセラーの情緒面への支え」が、一番重要だと思います。


カウンセラーって、実はすっごく孤独な仕事なんです。

基本的に守秘義務があるので、カウンセリングでどのようなことが起きたのか、誰にも話せません。


なかには難しい相談者さんも来られるし、うまくいったのかうまくいっていないのか、自分でも判断できないこともあります。

そもそも、相談者さん自身にとってすごく重要な悩みだからこそ、カウンセリングに来られるのです。

それを考えると、「簡単な相談内容」、「簡単なカウンセリング」なんてものは、基本的に存在しません。


だから、1回、2回のカウンセリングでは、うまくいかないケースもあって当然です。


しかも、人の悩みは千差万別。

つまり、相談内容も千差万別。


そして、その悩みが解決にいたるまでの過程も、本当に千差万別です。


なので、

「こういう相談内容が来たときは、こういう対応をしたらいい」

そういうマニュアル的なカウンセリングでは、まずうまくいきません。


「とりあえずこうやっておけば大丈夫」

そういうものがカウンセリングという仕事には、存在しないのです。


実は毎回毎回のカウンセリングの中で、相談者さんと一緒に新しいカウンセリングを作り上げていく。


極端な話に聞こえるかもしれませんが、それが一番いいカウンセリングなのだと、僕は思っています。


なので、100%正解のカウンセリング技法なんて、この世には存在しないのです。


「今日のカウンセリングは、すごくうまくいった」

ということは当然あります。

でも、そのやり方が明日のカウンセリングでもうまくいくかというと、それはまた違うのです。


しかもやっかいなことに、全く同じ相談者さんがあいてても、その日の調子によってやり方を変化させる必要があります。


なので、カウンセリングには絶対的な正解など、存在しません。

もしそれが存在するといってしまえば、それは相談者さんの個性を無視していることになります。


絶対的な正解が存在しない限り、カウンセラーだって不安になります。


「今日やった自分のカウンセリングは、あれでよかったんだろうか…」

「もっとうまく、別の対応の仕方があったんじゃないだろうか…」

「相談者さんからいわれた一言が、胸にグサッと突き刺さってしまう…」


そういうことは、必ずあります。

そして実はそれそのものも、相談者さんとの関係を深めるために、必要な過程だったりします。


なので、カウンセラーにとってスーパービジョンを受けることは、とってもとっても大事なことなんです。



ですが!!

ここで大きな問題があります。


というのも、僕のように大学、大学院で勉強したのではなく、民間の資格団体からスタートしたカウンセラーは、

「どこにスーパービジョンを受けに行ったらいいのか、わからない…」

という問題があるのです。


大学、大学院で学んでいれば、担当教授がいますから、そこに相談に行けます。

また、横のつながりもたくさんあるでしょうから、他の先生も探せるでしょう。


でも、民間の資格団体出身だと、大教室で学ぶことが多く、講師の先生とそこまで親しくなれる機会がなかなかありません。


僕自身、スーパービジョンをお願いできる先生を探すのが、本当に大変でした。

「この先生にスーパービジョンしてもらいたい!!」

そう思っても、なかなか勇気を出して自分から声をかけられないんですよね。

(そもそもスーパービジョンをやっていると、サイトに書いてあるところが少ない)



僕もはじめて先生にスーパービジョンをお願いするとき、


「あ、あ、あ、あ、あの~。

スーパービジョンとかって、お願いしてよろしいのでしょうか…?」


とめちゃくちゃ不安になりながらお願いしたのを、覚えています。


その時、先生が快く、「もちろん。いいわよ」とおっしゃってくださって、すごくホッとしたのを覚えています。

「自分なんかがそんなお願いをしていいのだろうか…」

当時の僕は自分に自信がなくて、そう思っていたのです。



それから何年かして、僕のところにも、

「中越さんにスーパービジョンをお願いできないでしょうか?」

といわれることが度々ありました。


これも僕はなかなか自分に自信が持てず、

「僕ではまだ力不足だと思うので、スーパービジョンはできないですけれど、ケースの内容を伺って、僕が感じたことをお話しさせていただきます。

それでもよろしいでしょうか?」

と伝えていました。


でも、カウンセラーになって副業期間を入れると18年。

完全に独立開業して15年。


いや、今月で16年になってしまいます。

(本当に歳を取ると、1年が早いですね…。

16年目に突入していたことを忘れてました)



自信がないからといって、指導者になる責任から逃げることは、もうちょっと違うかなと思うようになりました。


自分も経験が浅いころ、いろんな人にいろんなことを教えてもらいました。

その人達も指導者やスーパーバイザーになる責任の重さを、十分に感じていたはずです。

にもかかわらず、僕だけがその責任から逃げるのは、なんだかよくないなと思うのです。


いや、もう少し正確にいうと、僕は一人で自営業としてやっているので、その責任から逃げることができただけです。

もし僕が組織で働いていたら、もっと早くやらなければいけなかったのでしょう。


でも、まあ…。

やっぱり不安だったんですねww。


やっぱりカウンセラーになっても、生きている限りいろんな不安がつきまといます。


で、スーパービジョンをやろうと思ってから、僕は自分の先生に相談に行きました。


「スーパービジョンをやってみたい気持ちはあるけれど、自分なんかがそんなことをやっていいのでしょうか?」


僕はとつとつと、話しはじめました。

先生はゆっくりと、僕の話を聴いていました。

いくつか質問したりされたりしながら、僕と先生の話は深まっていきました。


「いや、実はもうスーパービジョンについていくつか調べていて…。

自分がやっても、特に問題はないみたいなんです。


う~ん、いや、あの…。

スーパービジョンをやるんだという宣言を誰かにしたかったというか…。

自分でなかなか決めきれなくて、背中を押して欲しい弱さがちょっとあったのだと思います」

僕は話しながらそれに気づいて、ちょっと顔が赤くなってしまいました。


その日の帰り際、先生は優しく微笑みながら、こうおっしゃいました。


「アメリカ人だったら、独立して5年もすれば、堂々とスーパービジョンをやってるかもしれないわね」


そういわれたらその通りだなと思って、僕も思わず笑ってしまいました。

僕もそういう気の利いたユーモアをいえるスーパービジョンができるようになりたいです。


そんなわけで、うちのカウンセリングメニューに、スーパービジョンが追加されました。


実は数ヶ月前から、すでにメニューにあったのですが、なかなか告知する勇気が出ませんでした。

こういう気の弱さは、カウンセラーになって何年経っても、なかなか変わりませんねww


でも、それももう自分の持ち味かなと思うようになってきました。

まあ、即断即決できず、悩み迷ってしまう人の気持ちがよく理解できるカウンセラーっていうことにしておきましょう。


そんなわけで、スーパービジョンをご依頼の方は、ぜひ気軽にどうぞ~。

いつものカウンセリングメニューを選ぶときに、メニューの一番下にあります。


もちろん普通のカウンセリングも絶賛やっていますので、ご気軽にどうぞ~。



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■ 編集後記


ダイエット企画 20週目



スタート70キロ。

で、今日の朝、64,0キロ!


ちゃんと痩せたな~と思うのですが、まだ少しお腹が出ています。

学生時代の体重が、58~62キロをうろうろしてたので、そのあたりに戻したいですね。


う~ん、でもここからが難しいんですよね。








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