心理カウンセラーに向いてる人、向いていない人

心理カウンセラーに向いてる人、向いていない人

こんにちは。

公認心理師の中越です。



カウンセラーになりたいという相談で、特に多いもの。

それは、「どんな人がカウンセラーに向いているんですか?」というものです。


そりゃ、気になりますよね。

僕自身、「自分がカウンセラーになるまで、向いていなかったらどうしよう…」と、不安でいっぱいでしたから。


で、この質問、答えは結構簡単です。


その答えとは、

「勉強し続ける人が、一番向いている」

というものです。



「なんだ。そんな当たり前のことか…。ただのきれい事じゃないか」

そう思ってこのページを閉じようとしたあなた!

ぜひ続きを読んでみてください。


ちゃんと、これには具体的な根拠があるんです。



その具体的根拠とは、「みんなが思っているより、カウンセラーの働き方は幅広いから」です。


簡単にいうと、カウンセラーと一言でいっても、いろんなスタイルの働き方があるんです。


それによって求められる素質も全然違うんです。



1対1のカウンセリング



普通の人が一番イメージするのは、一対一でカウンセリングすることですよね。

これは丁寧に話を聞くことが重要です。

おそらくどこのカウンセリングスクールでも、最初に学ぶのは傾聴だと思います。


どの流派のカウンセリングでも、基礎になるのは傾聴です。

人の話を聴くのが得意、好き。

そういう人は一対一のカウンセリングを学んでいけば、きっと光る物が出てくると思います。

これはどちらかというと、物静かで内向的な人の方が向いているかも知れません。

これはこれで傾聴についてもたくさん勉強しなきゃいけないし、傾聴以外のいろんな技法も一通り知っていた方がいいと思います。

傾聴を基礎として、認知行動療法やブリーフセラピーなども学んでいった方が、よりカウンセリングが上手くなると思います。


逆に、傾聴を学んでみたけども、どうしても自分には合わないなと感じた。

しばらく練習してみたけれども、どうしても自分に合わない。


そういう人は、たしかに向いていないかもしれません。

でも、だからといってあきらめる必要はありません。

まだまだいろんな働き方があります。



カウンセラーとして人前で話す


実は、一対一のカウンセリングとは真逆のように感じる人前で話す仕事も、カウンセラーの大事な仕事です。

いわゆる心理教育というものです。


たとえば、メンタルヘルスの分野では、治療よりも予防の方が大事だったりします。


従業員のためにメンタルヘルスの講座を依頼される。

災害の後にメンタルヘルスについて話をする。

いじめ対策として学校に呼ばれて話をする。


これもカウンセラーにとって、すごく重要なお仕事です。


それから、まだまだ日本ではカウンセリングを受けることが一般的ではありません。


多くの人にとって、カウンセリングを受けるよりも、講座やセミナーを受ける方がハードルが低いのです。

いまの時代なら、それもオンラインやYouTubeになるかも知れません。


悩んだときに、いきなりカウンセリングを受けるというより、まずはYouTubeなどでヒントになる動画を探す。

そういう人もかなり多いです。


こういうのは正直なところ、外向的な人の方が向いていると思います。


これもやっぱり、たくさん勉強しなきゃいけません。

人前で話すというアウトプットをするには、それだけたくさんインプットしないといけませんからね。


別に大人数の前で話すだけでなく、マインドフルネスなどをグループワークすることも、大事な仕事だと思います。

こちらだと10人前後の小グループですから、そこまで緊張しないかもしれませんね。



環境調整タイプのカウンセラー



それから学校、職場、地域で働くとなると、そこに関わるいろんな人との調整役をすることもあります。


スクールカウンセラーなら学校の先生と保護者の間に入ることもあるだろうし、病院ではお医者さんや看護師さんと協力して働きます。


たとえば児童などが、自分の心の状態を上手く先生に伝えられないとき、その児童から了解を得て、

「いまこの子はこういう病気で、こういうお薬を飲んでいます。

その副作用で眠くなっちゃうことがあります。

なので、もし授業中に眠そうにしていても、先生の授業のせいでもこの子のやる気の問題でもないんです」

と伝えてあげたりします。


それだけで、先生もイライラしないしその子供も楽になるかも知れません。


心の病にしろ発達障害にしろ、まわりの理解があるかどうかで、本当に大きく変わります。


職場復帰の支援、リワークなどは、心の病のこと、職場のこと、本人の状態。いろんなことがわかっていることが大事です。


こういうのって、

心理のことも教育のことも、わかってるからできる。

心理のことも職場のことも、わかってるからできる。

心理のことも地域のことも、わかってるからできる。



そういう非常に重要なポジションなんです。

これもカウンセラーの重要なお仕事の一つです。


そしてもちろんこれも、たくさん勉強しなきゃいけません。

心理もそれ以外も勉強する必要があります。


一対一のカウンセラーとも、講座やセミナーをするカウンセラーとも、また違う素質が必要なのかなと思います。



研究者タイプのカウンセラー



最後に、心理職といってもいままでと全然違って、研究者になる人もいます。

これはこれでカウンセリングをすることや講演も必要ですが、統計、データなどを扱うので数字に強いことも必要です。


たとえば、「この心理療法はどれくらい効果があるのか?」。

そういうことが科学的な数字としてでているのは、すごく大事なことです。


カウンセラーも相談者さんも、相談者さんに関わるまわりの人たちも、それはみんな知りたいところですよね。


そういうデータがあるから、僕たちはカウンセリングができています。

なので、これももちろんカウンセラーにとって、すごく重要なお仕事です。


これは正直、数字が強い人の方がいいだろうな~と思います。

数字を扱わないタイプの研究方法もありますが、やっぱりデータや統計は重要です。

僕自身はこれは向いてないですね。




なぜ勉強する人がカウンセラーに向いているのか




ざっといま思いついただけで、これくらいいろんな働き方があります。

ここに書いていないだけで、本当はもっともっとたくさんあるはずです。

カウンセラーといっても、本当にいろんな働き方があるんです。


で、その働き方によって、向いているかどうかも大きく変わってきます。

これってカウンセラー以外の仕事でも、同じだと思います。


お笑い芸人でも別に明るい陽キャばかりじゃなく、陰キャタイプの人がいますよね。

体張るタイプの人もいれば、ネタ作りをがんばるタイプの人もいます。

どれが自分に向いているかは、ある程度やってみないとわかりません。



ただ、カウンセラーの働き方で共通していえるのは、勉強し続けなきゃいけないということです。


そして、いろいろ勉強していくうちに、「あ!意外と自分はこっちの働き方の方が、向いているのかも!」と、気づけるのです。


大事なのは、「やる前からカウンセラーに向いている、向いていないと決めつけないこと」。

そして、一通りいろいろ勉強してみて、「自分に向いているカウンセラーの働き方を見つけること」です。


やりはじめる前は、「自分って、カウンセラーに向いているだろうか…」と、不安になって当然です。


でも、カウンセラーの働き方はとても幅広くて、いろいろなスタイルがあります。

なので、自分に合ったスタイルも、どれか一つは必ずあるはずです。

(もしなければ自分で作るというのも大事な考えです。いま存在している心理療法やカウンセラーの働き方も、最初は誰かが創り出したのですから。これからもどんどん新しいスタイルのカウンセラーが生まれてくると思います)


そして、そのために必要なのは、そのスタイルに必要なことを勉強することです。


能力なんて、足りなくていいんです。

足りない能力は、これから学んでいけばいいのですからね。


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