無料でいいから経験を積む。
これが大事だとお話ししました。
僕が無料で経験を積んで、
本当に良かったなと思うのは、
「練習と本番は全然違った!」
これを身をもって体験したからです。
当たり前なんですが、
たとえ無料でも練習とは、
全く違いました。
いわゆる練習、ロールプレイでは、
練習相手も自分と同じように、
カウンセリングを勉強してる人。
そうなると一つ問題があります。
それは相談者役をする人も、
「カウンセラーは話を聴く」、
という常識が根付いています。
だからロープレが始まると、
相談者さん役がよく話します。
これが大問題なんです。
だって、一般の人の感覚では、
「カウンセラーの方から、
会話をリードしていって、
何かアドバイスを言ってくれる」
そう思ってる人の方が多いです。
緊張して話せない人。
カウンセラーがリードするまで、
ずっと黙っている人。
そういう人もいます。
例えばうちの場合だと、
「やりたいことがありません。
どうしたらいいですか?」
本当にこの一言だけで、
何も話そうとしない人がいます。
そうなってしまうのは、
その相談者に問題があるのでなく、
「カウンセラーの方から、
会話をリードしていって、
何かアドバイスを言ってくれる」
それが一般の人にとって、
常識だからなんです。
(少なくともその人にとっては)
テレビに出てくるカウンセラー、
特にバラエティに出てくる人は、
そういうパターンが多いです。
タレントさんが何か質問すると、
「その場合はこういう理由があり、
こんな可能性もあるはずだから、
こうするべきですよ」
と答えている場面、
よく見かけますよね。
だから一般の人にとって、
「一つ悩みを質問すれば、
カウンセラーがアドバイスを、
どんどん話していくもの」
そういう感覚の人も、
もちろん結構おられるのです。
(というよりも、よくよく考えてみれば、
初対面の人に自分の人生や心の奥底を、
いきなり話し始めるわけがありません。
強い人見知りの人だって、いて当然です。
いくらカウンセラーとはいえ、
初対面の一人の人間なんですからね。
無口な相談者さんもいて当然です)
だから実際のカウンセリングでは、
相談者さんが自分で話し始めるよう、
場の雰囲気を作る必要があります。
天気やテレビの話題など、
最初は雑談からはじめたり。
クーラー、暖房を使う時期は、
「暑かったり寒かったりしたら、
遠慮なくおっしゃって下さいね」
の一言をはさんでおいたり。
それだけでだいぶ違います。
どうしても話せないようなら、
「せっかく来たのですから、
何でも質問して下さいね~」
とあえて質問形式にしたり。
いくつか質問をやりとりするうち、
緊張がほぐれて話し始めたり、
人間ってそんなものです。
ところが、
カウンセリングのロープレでは、
練習相手もカウンセラーです。
だから相談者さん役が、
話を聴いてもらおうと、
自分から話をしてくれます。
そうなると初回の相談者さんの、
緊張を解く練習というのが、
なかなか出来ないんです。
実際の相談者さんに、
緊張を解いてもらって、
話し始めてもらう練習。
こればっかりは実践でないと、
どうしても練習できません。
最初無料でやる理由は、
この辺の練習が出来るから。
無料でこの辺を練習してから、
有料に移った方がスムーズです。
まずは無料からはじめてみる。
これは大事だと思いますよ。
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